タスペーサーの必要性

タスペーサーとは

タスペーサーとは?

セイムのタスペーサーは、屋根塗装(塗替え)時の縁切り作業をより適切に行なえる部材です。
従来の工法での作業時間も大幅短縮。(初めての塗り替えの場合、100㎡の屋根なら約2時間で終了)何よりも、屋根の塗替えを行う時は、セイムのタスペーサーを使えば、適切な作業で長期的に下地への通気性を確保できます。

タスペーサー
タスペーサー

タスペーサーのしくみ

タスペーサーの仕組み
タスペーサー02

通常の屋根補修の際に使用するのは、このタスペーサー02を推奨しています。
シーラー・プライマー等の下塗りを完全に乾燥させてから挿入してください。
※強溶剤型の塗料は使用しないでください。

タスペーサーの仕組み
タスペーサー03

タスペーサー03は、屋根材または屋根下地材(野地板)が経年劣化が激しい場合でのご使用を推奨しています。
02と同じく、シーラー・プライマー等の下塗りを完全に乾燥させてから挿入してください。
※強溶剤型の塗料は使用しないでください。

屋根の構造について

実はシンプル、屋根の構造

屋根の構造をご存知ですか?屋根の構造はとてもシンプルで、屋地板(屋根の下地として使用している板)の上に、防水シートを敷き、その上に屋根材を直接打ち付けるだけなんです。
下記にて、その詳細を紹介していきます。

屋根の施工手順
屋根の施工手順
  1. 下地(コンパネ)野地板を張る。
  2. 防水シート(ルーフィング)を張る。
  3. 屋根材を下方部から1枚ずつ釘で打ちつける。
  4. 塗料を屋根全体に塗装して終了。
屋根を放置しておくと
  1. 屋根材の塗膜が劣化し防水性を失う。
  2. 波形状に反ってくることがある。
  3. 屋根材の反り劣化現象に繋がる場合がある。
放置した屋根

一般戸建木造住宅の大敵は「水分」

「内面結露」と、「毛細管現象により吸い上げられた水分が野地板へ浸透する」ことによって、腐朽は進行します。
水平方向の隙間が一定以上確保されていないと「内面結露」と「毛細管現象」が起こっていると推測され、野地板の腐朽を予防するためには「適切な通気性の確保」を行うことがとても効果的です。
結果として、隙間が一定以上確保されていれば、毛細管現象による水の吸い上げを軽減させることは可能で、「適切な通気性」も確保することができると推測されます。そして、野地板の経年劣化の軽減につながります。

縁切りの必要性

なぜ縁切りは必要なのか

元々、屋根材の表面には、雨水排水や、通気性の確保を目的とした溝がついています。
しかし、その隙間を塗料で埋めてしまい、屋根材の合わせ目から進入してきた雨水が排出されなくなってしまいます。
そこに雨水が浸入し、結果的に屋根の腐朽や雨漏りの原因になります。元々ある屋根の隙間を人工的に造りだすことを、縁切りといいます。
この作業をするかしないかで、屋根の寿命につながります。

縁切りの必要性
溜まっていた雨水

左の写真のように、長年屋根の溝を塞がれた状態の縁切りをしたところ、溜まっていた雨水が流れ出てきました。
この雨水のたまりが、屋根の腐朽になり雨漏りにもつながっていきます。

一般戸建木造住宅の大敵は「水分」

  • 塗装完了後の縁切りでは塗膜が剥がれてしまうことがある。また、皮スキ、ケレン棒、カッター等での縁切り工法では屋根材コグチ部が破損することが多く、仕上がった屋根面に足跡をつけてしまう。
  • 塗装完了後、翌日の縁切りでは再び上下が密着してしまうことがある。
  • 塗装完了後3日後の縁切りでも、屋根材裏面奥に入り込んだ塗料が乾いてなかったために、適度な通気性確保が困難だった。

※当社のタスペーサーは従来の縁切り工法に比べて、手軽で簡単、そして適切な工法です。

施工方法

タスペーサーの施工方

  1. 下塗り(シーラー・プライマー)。
  2. 手差しで挿入。屋根材の縦合せ目から水平方向下部の、15cm位離した左右の箇所に挿入する。
  3. 上下重なり水平方向のダメ込みを行った後ローラーを水平方向に使って塗装し、完了後、タスペーサーを抜き取らずに完了。
屋根の施工方法1

【下塗り】

屋根の施工方法2

【簡単挿入】

屋根の施工方法3

【仕上げ塗装】

手差しで挿入できない場合

2度目の屋根の塗り替えで、前回の塗料が屋根材の重なり部を密着させている場合や、手差し挿入では困難な場合などは、エスパッター(縁切り工具)を用いながら、タスペーサーを挿入すると簡単に施工できます。

屋根の施工方法4

タスペーサーを利用する利点

  • 適切な縁切りが可能(従来の工法と比較)。
  • 作業時間の大幅短縮(初めての塗り替えの場合、100m2の屋根面積で約2時間で終了)。
  • トラブルを未然に防げる(責任施工の明確化が図れます)。
  • 屋根材のコグチ部の破損がない(従来の工法と比較して)。
  • 塗装完了した屋根面をキズ付けたり、汚したりしなくてすむ(従来の工法と比較して)。

安全性について

実験1

財団法人建材試験センターの送風試験装置を用い、強風時の状況を再現。
風速10m/s~50m/sでのタスペーサー(隙間緩衝材飛散)の有無を確認しました。
送風保持時間は各10分間に設定しました。

【実験風景】

安全実験1
安全実験2
安全実験3

送風機出口中心から試験体屋根材までの水平距離は1,000mmに設定。屋根勾配は4/10に保ちました。
試験体上部は隙間6~7mmに、下部2~3mmに設定。風速を段階的に変え、目視確認しました。

安全実験4

隙間 上部6~7mm

安全実験5

隙間 下部2~3mm

【結果】

風速50m/sの状況で、スレート板屋根材の一部が上下に激しく振動しましたが、タスペーサーは飛散しませんでした。

実験2

安全実験6
確かな強度

左の写真は、11年前の屋根面でのテストですが、つま先、かかと、タスペーサーを挿入した上、両足で乗っても、タスペーサーは破損しませんでした。
タスペーサーを挿入した箇所の真上や周囲に、普通の作業性で、ある程度の加重がかかっても、屋根材が破損しにくいことがわかります。

実験3

弊社社の屋上に設置してある実験用木造切妻勾配屋根を対象として実験を実施。
この実験は、「タスペーサー」を利用することにより、野地板での「温度」及び「湿度」の変化を測定する。
※実験期間:2008年10月26日~1年間の予定

屋根の施工方法1

【屋根材施工状況】

屋根の施工方法2

【測定器設置場所】

屋根の施工方法3

【測定器類】